AIは人間の仕事をすべて奪ってしまうのか?
漠然とそのような不安に襲われている方は案外多くいらっしゃるのではないでしょうか?
そのような方は本作品を聴くことをぜひオススします。
特に現在小さいお子さんの子育てをされている親御さんは、我が子の未来にはAIは今よりもっと日常に溶け込んでいるはずです。
そのため
来るAI時代に備えて今から我が子に何を学ばせておくべきか?
そのような悩みを持っている方もいらっしゃるかもしれません。
本作品を聴くことで
- 現在のAIとは何なのか?何ができて何ができないのか?
- AIの弱点は何か?
- AI時代に必須の能力は何か?
- これからAIと接する上での注意点は?
などの答えを得ることができます。
私はこの作品を聴いてAIの基礎が理解できたと思っています。
お子さんにとっても重要ですが、我々大人にもAIは今後仕事に影響を及ぼすことが必須ですのでぜひ本記事を読んでAIとは何かを知っていただければ幸いです。
そして本記事を読んでAIについてもっと知りたくなった方は、Audible作品である「AI VS 教科書が読めない子どもたち」をぜひお聴きください。
AI VS 教科書が読めない子どもたち
作品名: AI VS 教科書が読めない子どもたち
著者:新井紀子
出版社:東洋経済新報社
本の長さ:287ページ
Audibleの再生時間:8時間 23 分
この作品との出会い
この作品を聴こうと思ったのは以前にも何度かお伝えしました
「オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る」がきっかけです。
オードリー・タンさんはこの作品の中で、
これからのデジタルと向き合っていくにはプログラミング思考を学んでいくべき
とおっしゃっていました。
私はこのオードリー・タンさんの作品で衝撃を受け、それ以降AI時代を生き抜くスキルについて考えるようになりました。
今回の新井紀子さんの作品との出会いは、そんな私の考えの中で出会ったAI関連のAudible作品「AI時代に勝つ子・負ける子」の中で、新井紀子さんの存在を知ったことです。
「AI時代に勝つ子・負ける子」は、さまざまな著名人がAI時代に必要な力を語っているAI時代を知る入り口としては最適な作品です。
ぜひ興味を持った方は聴いてみてください。
そんな「AI時代に勝つ子・負ける子」の中で新井紀子さんは、数学者であるにもかかわらず、
読解力を鍛えなさい
とおっしゃっていたのがとても印象に残りました。
なぜ数学者が読解力を重要視しているのだろう?
その答えを知るために「AI時代に勝つ子・負ける子」の中でも紹介されていた新井紀子さんのAudible作品「AI VS 教科書が読めない子どもたち」を聴くに至りました。
この作品から得られた学び
ターミネーターの世界はやってこない
唐突ですが、私は子供の頃から映画が大好きでした。
特に学生時代はSF映画が大好きで宇宙ネタの作品はほとんど映画館に見に行っておりました。
AIと言ってまず思い出すのがスティーブン・スピルバーグ作品の「A.I.」です。
その当時「シックス・センス」をきっかけに超売れっ子だった天才子役ハーレイ・ジョエル・オスメント君とスピルバーグがタックを組んだ私が大好きな作品です。
見た目はかわいいのに渋い声を出すクマ型ロボットのテディが印象深かったです。
また人類VS人工知能の戦いを描いた「ターミネーター」も私は大好きで、
いつか人工知能が人類を脅かす。そんな世界がやってくるのではないか?
私は純粋にそのように思っていました。
前置きが長くなってしまいましたが、そんな私が子供の頃から思い描いていたターミネーターの世界はやってくることはない。
この作品で著者の新井紀子さんは以下のように断言しています。
自分たちの子供の世代でAIやAIを搭載したロボットが人間の仕事をすべて肩代わりするという未来はやってきません。
AIはコンピューターであり、コンピューターは計算機であり、計算機は計算しかできない。
それを知っていれば、ロボットが人間の仕事をすべて引き受けてくれたり、人工知能が意思を持ち、自己生存のために人類を攻撃したりするという考えが妄想に過ぎないことは明らかである。
AIがコンピューター上で実現されるソフトウエアである限り、人間の知的活動のすべてが数式で表現できなければAIが人間にとって代わることはない。
今の数学にはその能力はない。
私にとっては大好きなSFの世界が否定されたことはとても残念です。
しかし現実問題、人工知能によって人類が滅ぼされることになっても困るので現実を知れて良かったです。
AIという名前がもたらす誤解
この作品は今世間で言われている「AI」とは何かをとても分かりやすく解説しています。
よく世間でAIという言葉を聞くようになりましたが、
私のようにターミネーターのような世界が来ると誤解してしまう人が生まれる原因として、
新井紀子さんは
AIとAI技術が混同して使われているから
とおっしゃっています。
新井紀子さんによると
AI技術とは、AIを実現するために開発されているさまざまな技術のこと
で、それがAIと表現されてしまっていることが私のように思う誤解を生じさせるといいます。
本作品では、便宜上
AI技術のことをAIと呼び、人工知能のことを真の意味でのAI
と明確に区別をして解説をしています。
人間はAIに仕事を奪われるのか?
AI時代には人の仕事の大部分がAIに代替されてしまう。
そのような心配も耳にされた方もいるかもしれませんが、そんな漠然とした不安を持たれている方はこの作品を聴くことでAIのことを正しく理解できるのではないかと思います。
「東ロボくん(とうろぼくん)」とは日本の国立情報学研究所が中心となり2011年から行われている「ロボットは東大に入れるか」というプロジェクトで研究・開発が進められている人工知能です。
本作品の著者である新井紀子さんは、このプロジェクトのチームリーダーです。
本作品は東ロボくんの開発の過程が物語形式で展開していて作品としても聞き飽きないとても楽しいものでした。
そして東ロボくんの開発を通して、AIが人間より優れているところ、劣っているところなどをとても分かりやすく解説しています。
現在、AIは計算の速さや正確性は人間より圧倒的に優れていることは皆さん承知のことだと思います。
それではAIが人間より劣っていることとは何でしょうか?
新井紀子さんはAIの弱点を以下のように語っています。
AIの弱点
- 万項を教えられてようやく1を学ぶこと
- 応用が利かないこと
- 柔軟性がないこと
- 決められた限定されたフレームの中でしか計算処理ができないこと
- AIには意味が分からいということ
言い換えると
高度な読解力と常識、加えて人間らしい柔軟な判断が要求される分野
においてAIは人間よりも劣っているとおっしゃっています。
そのため人間がAIに勝つには、
- 1を知って10を知る能力
- 応用力
- 柔軟性
- フレームにとらわれない発想力
などを備えていることが大事とのことです。
それを踏まえ、新井紀子さんがAI時代に残る仕事としては大きく二つのことを挙げていました。
AI時代に残る仕事
- コミュニケーションや理解力が求められる仕事
- 介護などの柔軟な判断が求められる肉体労働
そして来るAI時代に向けて人間は、
読解力を基盤にするコミュニケーション能力や理解力
を鍛えるべきであると新井紀子さんはおっしゃっていました。
東ロボくんの開発を通して新井紀子さんは
日本の中高校生の読解力は危機的な状況である
と知ったそうです。
つまり、
教科書の記述を正確に読み込むことが出来ていない中高生が非常に多いということです。
そして東ロボくんの開発を行っている中で生まれたのが、
リーディングスキルテスト(RST)
です。
リーディングスキルテストとは、
中高生の基礎的な読解力を調査するために生まれたテストです。
RSTのホームページによるとリーディングスキルテストは、文章に書かれている意味を正確にとらえる力(基礎的な読む力)を測定・診断するツールです。
読解プロセスごとに6つのタイプから構成されており、それぞれのタイプで読解の能力値を診断しています。
詳しくはこちらへ↓
リーディングスキルテストについて – 教育のための科学研究所 (s4e.jp)
私自身も自分の読解力を知りたいので我が子が対象年齢になった暁にはぜひ一緒に受験してみようと思っています。
今回この『AI VS 教科書が読めない子どもたち』を聴いて、
なぜ数学者が読解力を重要視しているのだろう?
と初めに思った疑問の答えを得ることが出来ました。
ただ本書では実際に子供たちの読解力を向上させていくには何が必要なのか?
が具体的には示されていませんでした。
そこでまた自分なりに答えを探してみようと検索をいろいろしていたところ
なんとこの作品の続編「AIに負けない子供を育てる」という作品もあるのが分かりました。
目次を見たところ、リーディングスキルテストについてより詳しく書かれており、読解力を培う取り組みが提示されていました。
ぜひ読んでみようと思っています。
またこの続編はすでにAudible作品にもなっておりました。
ぜひ聴いてみたいです。
ディープラーニングとAIの注意点
本作品の中で解説されていたディープラーニングについての解説は、今後のAI時代において注意すべき点だと思ったので最後に皆さんに共有したいと思います。
ディープラーニングのような統計的なシステムでは教師データに基づき過去のデータを分析して判断しているに過ぎない。
過去の判断を踏襲するだけ
社会が歪んでいればその歪みを増幅してしまう。
教師データの設計者の価値観が正解データやアノテーション(データに対して情報を付与する作業)の設計に反映されてしまう。
教師ありのディープラーニングにおいてAIは決して教師データの精度を超えることはできません。
教師データの設計者が悪意に満ちていたら、鈍感ならばAIはそれを増幅させてしまう。
何が正しく何に価値があるか誰に価値があるかそれを人間がAIに教えてあげる必要がある
その価値は民主的に決めているわけではなく私たちの知らない誰かが勝手に決めている
AIのことは詳しくなくてもテレビのニュースなどで「ディープラーニング」という言葉を耳にしたことがある方もいるかもしれません。
ディープラーニングとは、人間の脳が自然と行っている物事の認識方法に似せて、物事の概念を階層的に関連させてコンピュータに学習させる手法のことです。
新井紀子さんによるとこのディープラーニングも教師データ(人間が用意した答えがあるデータ)に基づいているため、AIは人間が設定したデータ以上のことはできない。
そして、その教師データ自体が悪意や偏見に満ちたものだと歪んだAIができてしまうというのです。
これはとても怖いことだと思いました。
我々一般の人ではAIから出される結果は正確なものと思ってしまいますが、そのAIが正しいか、公平なものかはそのAIを設計した人間に依存してしまう。
私はこの作品を聴いて、AIは今後多くの場面で利用するようになると思いますが、全面的にAIを信じることはせず、最終的には自分でも考える癖が必要なのだと感じました。
特に今の子供たちには、AIに負けない読解力を身につけるだけでなく、自分で考える力を
鍛えていくことも大事だと感じました。
ちなみに今回私が注目したディープラーニングに関して
もっと詳しく知りたい方は
「人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの」
をオススメします。
ディープラーニングの原理を非常に分かりやすく解説しています。
またAIの今までの開発の流れなども非常に分かりやすく解説されているため、AIについて勉強したい方の始めの一歩としては最適な作品です。
また実際のAIの活用例についてもっと知りたい方は、
という作品もお勧めです。
この作品は実際のアメリカでAIがどのようにビジネスに生かされているかがよくわかる作品です。
そして「AI VS 教科書が読めない子供たち」の中でも注意喚起されていた教師データが歪むとAIの判断も歪んできていしまう実例が紹介されています。
実際のビジネスの現場でAIをどのように活用しているのか?どのように導入すべきか?
その疑問が分かる良き作品です。ぜひこちらも聴いてみてください。
Audible×子育て まとめ
今回はAudibleの「AI VS 教科書が読めない子どもたち」から得られた学びや私の気づきをまとめてみました。
- 自分たちの子供の世代でAIやAIを搭載したロボットが人間の仕事をすべて肩代わりするという未来はやってこない。
なぜならAIはコンピューターであり、AIの大元は人間がデータを打ち込んでいる。
そのため人間の知的活動のすべてが数式で表現できなければAIが人間にとって代わることないため
- AIの弱点は、高度な読解力と常識、加えて人間らしい柔軟な判断が要求される分野
そのため人間がAIに勝つには、1を知って10を知る能力、応用力、柔軟性、フレームにとらわれない発想力
などを備えていることが大事
- 日本の中高校生の読解力は危機的な状況である。
AI時代に向けて人間は、
読解力を基盤にするコミュニケーション能力や理解力
を鍛えるべき
- ディープラーニングのような統計的なシステムでは教師データに基づき過去のデータを分析して判断しているに過ぎない。
そして教師データの設計者が悪意に満ちていたら、AI自体が歪んだ判断をするようになってしまう。
今回特に私が印象に残ったのは最後に私が紹介したディープラーニングのところでお伝えした、「教師データの設計者が悪意に満ちていたら、AI自体が歪んだ判断をするようになってしまう」という点です。
「いまこそ知りたいAIビジネス」の中では、
AIの設計者が人種や男女の偏見を持っているとAIの出す判断がその偏見の考えを前提に判断をしてしまう実例が解説されており、これはとても怖いことだと感じました。
AI時代に活躍する我が子たちの世代にこのようなことが起きないようにするためには、
やはり「自分で考える力」をしっかり身につけていくことが大事なのだと感じました。
どのようにしたら偏見のない正しい判断を行える子供に成長するだろう?
そのように考えた時、スタンフォード大学・オンライン・ハイスクールの星校長が「スタンフォードが中高生に教えていること」の中で哲学の重要性を語っていたのを思い出しました。
哲学を学ぶことで、それぞれの分野の世界観や前提をしっかり考察し、ゆるぎない自分の価値観を模索していく力を身につけることが出来る
ことから星校長は親が「哲学的ロールモデルになる」ことを提唱しています。
またこの哲学的ロールモデルは、表現方法は異なりますが、草野絵美さんの「親子で知的好奇心を伸ばす ネオ子育て」の中で語られていた「仮説思考」にもつながっていると思いました。
そして今回新井紀子さんは
日本の中高校生の読解力は危機的な状況である
ということからとにかく読解力を鍛えていくことが最重要と分かりました。
そこで現在4歳の子供を育てている私としては
「2歳から12歳の脳がグングン育つ!論理の力」で出口汪さんが強く訴えていました「論理力」と「漢字の読み」を強化すべく現在コツコツと漢字クイズを子供と行っています。
出口汪さんは、
小学校に入学するまでに小学校4,5年までの漢字を読めるようにすれば、幼児でも小学校4,5年生用の文章が読めることが可能になる。
そのことで語彙力だけでなく読解力や思考力も自然と身についていく。
とおっしゃっていましたので当面はそれを目標に我が家では漢字の読みを頑張りたいと思っています。
参考Audible作品
〇スタンフォードが中高生に教えていること
〇親子で知的好奇心を伸ばす ネオ子育て
〇2歳から12歳の脳がグングン育つ!論理の力
また我が家よりも小さいお子さんがいる家庭で今からできることをやっていきたいという方は、幼児教室「ドラキッズ」はいかがでしょうか?
自分で考える力を身につけることができる教室なので、近くに教室がある方は一度体験しても良いかもしれません。
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今回の記事は以上です。
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